日本辺境論 (新潮新書)
日本辺境論 (新潮新書)
発売:新潮社
作者:内田 樹
Stars35
価格:¥ 777
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順位:149位
カテゴリー:書籍
日付:2009-11
ASIN:4106103362
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ユーザーの評価

Stars50(5) 辺境をキーワードに、過去の日本文化論を再編(2010-03-11)
 中央公論社の「新書大賞2010」で大賞を受賞した、というので読んでみた。
 著者のいう「辺境」とは、大陸の端っこにへばりついているという地政学的な絶対的条件から必然的に生じた日本人の思想的他者従属性をいう。この従属性は日本人に染みついたもので、例えば阿部謹也は日本人のありようを「世間」というキーワードで論考した(「世間」とは何か (講談社現代新書))が、判断の基準を自分自身ではなく他者や、場の空気に求める感覚は欧米人には一般的ではない。らしい。
 また司馬遼太郎は、日本は文明を生み出さない、といったが、そのメカニズムは語らなかった。しかし本書のキーワード=辺境を使えばそれも説明できる。日本人は模範に追いつくことが習い性になっていて大得意だが、いざトップに立って模範を失くした瞬間に無能と化す。だから文明を発信することができないのだ、と。
 自分自身のなかには何もオリジナルなものを持たず、だからこそ逆に「師から学ぶ」ことだけは世界で最も上手であった。師から学ぶ、という学びの仕方のことを日本では「XX道」という。これも欧米にはない日本独特の方法論だと著者はいう。
 著者自身が言うように、オリジナルな新しい知見というのはないかもしれない。が、「辺境」をキーワードにして過去の日本文化論を再編したところに大いなる意義があると思う。全部読みこなすには哲学の素養もある程度必要だが、わかるところだけ読んでも十分に面白い。なるほど、大賞の理由がわかった。

Stars50(5) 日本が中心になる方法(2010-03-01)
 前から気にしていたのですが、武田鉄矢さんがラジオで紹介され、やっと読みました。一気に読めました。結構、面白かった。辺境ゆえの欠点と長所、日本はいつまでも辺境であり続ける宿命なのかと、がっかりしました。

 ところが、ハタと気付いたのです。著者流に言えば、勝手に学んでしまいました。日本は、世界の辺境であり続けても、その「世界」と言うのを、地球上に限定せず、「宇宙」と置き換えれば良いのだと。そうすれば、地球上の国々の中で、最も速やかに、宇宙文明に近づける国になり、宇宙の辺境にあって、地球の中心国になれると。(マンガの銀魂みたいに?!)

 今、地球は、江戸時代の日本のように、宇宙に対し鎖国しているようなもの。宇宙に出ても自国中心の中華思想から抜けられない国は、宇宙文明になかなかキャッチアップできない。辺境意識の国は、宇宙文明に目覚めたとたん、どの国より速くキャッチアプできるはず。今は、その準備期間。鎖国時代の知識人が、世界の情報を蘭学により吸収し、開国に備えられたように、宇宙に通用する知識を同様に学べば良い。(と言う事になるのかな?!)

 今は、高校に入学したら直に、文系、理系に分かれるようですが、全くナンセンス。知識人は文系で、技術者は理系と思っていないでしょうか?私達の宇宙では、自然法則や数学の公理は、どこでも成り立ちます。数学を含めた自然科学を、江戸時代の蘭学のようなものと捉え、哲学や宗教を含む文系の学問を、自分達の心の拠り所と捉え、両方を融合させる事が、これからの日本の鍵です。

 宇宙の辺境人という意識で、理系、文系両方の学問を学ぶことで、日本は、地球の中心文明を築けると、勝手に学んでしまいました!